筆者プロフィール
国際中医薬膳師、看護師
新里 英子
薬膳教室を運営
母直伝の米麹から調味料を作っています
薬膳香英としてオリジナル調味料の販売
香英の「香」は、4人娘の共通の1文字。
長男含むと5人の子供
夕食は、居酒屋状態な毎日。
健やかさと美味しいをお届けしたいです。
観察していますか?
お腹の調子のお便り
食欲の秋を駆け抜け、会食の多いシーズンになりました。
皆さま、お腹お元気でしょうか。
お腹の調子のお便り……それはズバリ排便ですね。しっかり観察されていますか?
私はその便くんについて、衝撃を受けたことがあります。
私にとって便くん、
食べたものの栄養を消化し終えた残りのものという認識でした。
なんと、
80%水分
残りの20%中の
¹∕₃に腸内細菌の死骸
¹∕₃に腸管粘膜の剥がれ落ちたもの
¹∕₃に食物の残りカス
だそうです。
ほぼ、水分ですね。
しかも固形物は腸内細菌の死骸や腸壁の剥がれ落ちたものが²/₃を占め、
食物残りカスは便くん全体から見ると7%でした。
自分の腸内に合う食べ物を知る
私たちの腸内には、1,000種100兆もの細菌達が住んでいてその種類の多さから花園に例えられ『腸内フローラ』と呼ばれているのはご存知の通りです。
そして、そこに住む菌たちは、3歳くらいまでに定着すると言われ、
個々人で指紋や顔のように違うもの。
食卓を共にするご家族内での傾向はあるかも知れませんが、全く個人的なものなのだそうです。
一般にヨーグルト・納豆・ばなな等の食物は、腸内を元気に調えるといわれていますが、その他にも各々に合った食材もある! ということが言えそうです。
自分には、何が合うのか。
食物繊維や発酵食品を召し上がる時、お腹の調子を感じて合っている食品を探してみてくださいね。
私も麹製品を製造、お野菜麹でおなか環境を応援させて頂いております。
お野菜麹の米麹は母から立て方を教えてもらいましたが、もともとは味噌を作る目的の麹。母は地域の婦人会で味噌を作っていました
巡り巡って原料麹の働きが地域で興っていた懐かしい食材として、あなたのお手元でお役に立てるかもしれません
さて薬膳では、
下痢や便秘の見方にも、その人の体質や現状を反映させて考えます。
起こりがちなパターンを紹介いたします。
下痢の見方と対処法
まずは下痢。
○体が熱を帯びている人の下痢
A 飲食停滞タイプ
・お腹が張りガスが停滞しているような感覚で、排便 排ガス 共に匂いが強い
・深酔いのあと
○体が冷えている人の下痢(2タイプ)
B 胃腸が弱いタイプ
・便に未消化物が混ざる。食欲不振 顔色が悪い
C 体を温める機能が衰えタイプ
・夜明けに腸が鳴るあるいは下痢で目覚めることがある。手足が冷え足腰が冷えて
痛むことがある
○水分が体に滞っている人の下痢
D むくみタイプ
・体の中に余分な水分が溜まると、暑さ寒さに弱く体調も影響を受けやすい
・雨の日や台風時に頭痛を感じたりする
○熱に傾けば、臭いのきつい下痢
○冷えに傾けば、臭いのない下痢
対策
もちろん下痢の最中はお腹を休ませたいもの。
無理に飲食することはないのですが、症状を起こす予防策としての食材を普段から活用するのがおすすめです。
養生食材は以下の通り。
A 熱を冷まし、消化不良を改善する食材
大根 ラディッシュ パパイヤ 苺 オレンジ ブンタン プーアール茶 ウーロン茶
*二日酔いだと原因がはっきりしている場合 肝の解毒作用を助ける食材も有効
緑豆の煮汁に砂糖を少し。 セロリとトマトの生ジュース。 シジミのみそしる。
大根の塩もみをグループフルーツやオレンジと。 水分をしっかり摂る事。 苦丁茶
B 気を補い消化を助ける食材(*スパイスやハーブは胃腸を温め消化を助ける)
おかゆ 米麹製品 みりん 納豆 ニンニク かぶ カボチャ 山芋 ジャガイモ ウナギ シャケ アンチョビー 鶏肉 はちみつ ナツメ 龍眼 レモングラス(茶)
*生姜 山椒 胡椒
C 体を温めるもの 上記Bにプラス
パウダー生姜 ニラ 八角 いーちょーばー クローブ シナモン
ヨモギ 黒糖 マグロ ムカゴ 栗 胡桃 サクランボ ブリ
D 要らない水分を普段からきちんと出すような食材を使って養生します。
玄米 ハトムギ とうもろこし 小豆 えんどう ハヤトウリ マコモだけ もやし
あおさ うーろん茶 コーヒー 緑茶
便秘の見方と対処法
続いて便秘
○体に熱を帯びた人の便秘
A 体に熱がこもっているタイプ
・便が固く、匂いが強い。尿の量が少なめで色が濃い。喉が渇き冷水をほしがる
B 体が乾いているタイプ
・コロコロ便。肌や唇、髪が乾燥し艶がない。手足が火照っている。寝汗をかく
○体が冷えている人の便秘
C 気が足りなくて胃腸が冷えているタイプ
・便通が何日か無くてもおなかの張りや苦しさを感じにくい。
出始めに硬く後に軟便になる。切れ切れの便。尿の回数が多い。
温かい飲み物を好む。冷えるとおなかが痛くなる。
対策
体が冷えているのか熱を帯びているのかで対策が大きく異なります
中医学では、胃の気は下に向かって働くとされ消化した食物を降ろしていく役割があり普段から胃の調子を調えることも大切です。
食養生は以下の通り。
A 体の熱を冷ます食材
バナナ アロエ ヨーグルト オートミール こんにゃく エノキダケ ゴボウ ムジ
タケノコ マコモだけ パイナップル バナナ 寒天
B 身体に必要な水分を補う食材
水分をこまめに摂る。おかゆ 豆腐 キュウリ 冬瓜 ミカン
ナッツ類 松の実 枸杞の実 ゴマ 蜂蜜 オクラ アボカド もずく ココナッツオイル ラード 豆乳 ヨーグルト
C 体を温める食材。体が冷えている人の下痢改善の食材も参照ください
このタイプの方は胃の養生も大切です
芋類で気を補うと同時にその繊維質が腸管を刺激して動きを良くします
下剤によっては体を冷やし逆効果になる可能性もあるので慎重に選びましょう
その症状はストレスタイプかも?
○便秘と下痢を繰り返す場合もありますか?
中医学では、自律神経と関係のある「肝」の状態に着目します。
*腸の動きをコントロールする「気」が足りないのか、ストレスによる「気」の巡り停滞が起こってないかという視点で考えます
E ストレスタイプ
便秘と下痢を繰り返すことがあり、ため息やゲップ脇腹の痛みを感じることがある。
喉元に詰まった感じがある。女性なら月経前症候群を感じやすい
E ストレスタイプ
柑橘系など香りの良いもの ヨーグルト オートミール
*C 腸の動きをコントロールする気の働きが足りないない場合は便秘Cタイプに準じます
いかがでしたか?
症状分類が多くて気後れしたかもしれませんが、
下痢も便秘もまずは、からだが冷えているのか熱を持っているのか感じる。
熱があれば匂いが強く冷えていればあまり匂わないという事が判別のわかりやすいポイントになると思います。
まさにからだのお便り。普段から身体の声を聞き、調え、元気にお過ごしください。
しあわせの出発点は
麹が作ってくれる
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