筆者 プロフィール
空間心理コンサルタント
まえうみさきこ
住まいやオフィスの悩みを「心理学」を使った空間づくりで解決してます!
前職では、県内の建設会社に約20年在籍。
一級建築士・インテリアコーディネーターとして、これまでに約120件のマイホーム建築に関わってきました。
現在は、県内で唯一わたしだけが取得している空間デザイン心理士®の知識も活かして活動してます。
モットーは「幸せのカギはお部屋しだい」。
経験から、自分の周りの環境や空間を上手に使えば、仕事も家事も育児も人間関係も自然とうまく回り始めると考えてます。
夫・小学生の子ども2人・猫1匹の家族がいます。
最近の幸せ時間は、やるべき仕事や家事がすべて終わったあとの韓流ドラマを見ながら寝落ちすること♪
空間がストレスを与える6つの項目
「職場の雰囲気を良くしたい」「社員のやる気を上げたい。」経営者の願望のひとつですよね。
そのような目標は、人(社員)にフォーカスしがちですが、実は「空間(オフィス環境)」も「人の脳と心に影響している」って知っていますか?
空間は、社員のパフォーマンスやモチベーションにも大きく影響してくるんです。
人にストレスを与えている空間の原因はたくさんあります。特に大きく影響する項目は約6つあります。
今回は、人の特質で、環境からの刺激を受けやすいタイプがいることと、机の向き・配置が与える心理についてお話してみたいと思います。
「気が散る」・「集中できる」は、2つのタイプに分かれる
仕事で集中したいけど集中できない・・・。
人には環境から刺激を受けやすい人と、そうでない人がいます。
仕事をするとき、まず、あなたや社員が、どんなことに気が散りやすいか、ということを知っておくことが大切なんです。
あなたは、スタバやカフェで勉強や仕事をする時、集中できますか?
勉強や読書、仕事中に音楽を聴いていますか?
それとも、カフェや他の人の話す声が気になったり、集中できず、図書館の自習室や1人の部屋での作業の方が集中できますか?
スタバなどで集中して作業できる人、音楽を聴きながら勉強や読書、仕事に集中できる方は「スクリーナータイプ」です。
一方、図書館や自習室の作業の方が集中できるという方は、「ノンスクリーナータイプ」です。
※screen(スクリーン):遮へい、ついたて、仕切り、目隠しなどの意味
スクリーナーは、多少騒がしい方が集中できる、作業効率が上がる、または、騒がしい場所でも集中力や作業効率が変わらないという人です。
注意するべきは、「ノンスクリーナータイプ」の方です。
もし、1人になれる静かな場所が得られなければ、周りに人や音にイライラするだけでなく、仕事をしている間に、どんどんストレスが大きく溜まっていってしまいます。
そうすると、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。
会社だと、軽いパーティションなどで音や気配を配慮したり、特に仕事に集中したいときは、できるだけ1人になれる場所を確保することがおススメです。
あなたはどのタイプでしたか?また、社員はどのタイプでしょうか?
もし、ノンスクリーナータイプでなかなか集中ができない場合は、机まわりの環境を見直してみてくださいね。
机のレイアウトの仕方で受ける心理
次は、机の配置です。机の向きが人の心理に影響している場合があります。机の向きで、人がどのような心理になるのか見ていきましょう。
①向かい合わせスタイル
向かい合わせなので、スタッフ同士のやり取りがスムーズ。
■心理的メリット
・コミュニケーションを取りやすい。
■心理的デメリット
・個人作業をしたい場合などに集中しづらい。集中しやすくするためには、デスク前に低い仕切りを設けることがおススメ。
・向かい合わせでコミュニケーションがとれる反面、他のグループからは距離が遠い。
②背中合わせスタイル
必要な時のみ振り向いてコミュニケーションをとれるため、集中できる環境とコミュニケーションの取りやすさがバランス良いスタイル。
■心理的メリット
・視覚の情報をさえぎれるため、集中力を必要とする仕事に向いている
・振り向けばコミュニケーションがとれる
■心理的デメリット
・他のチームとの連携がとりづらい。
・チームリーダーが一目で状況を把握しづらい
③教室スタイル
みんなが同じ方向を向く教室のようなスタイル。学校の教室やコールセンター、銀行などによく見られるタイプ。1人で作業することを想定した仕事場でも効果的。
■心理的メリット
- スタッフ全員が同方向を向いているので、集中したい作業に向いている。
- チームリーダーが後ろから見た時に、状況を一目で把握できる。
- 集中したい環境とコミュニケーションの取りやすさ両方にメリットがある。
■心理的デメリット
- チームリーダーに監視されている感覚を持たれることがある。
- 横の席の人とはコミュニケーションがとりやすいが、それ以外の人とはとりづらい
④フリーアドレススタイル
固定席を設けず、自由な席で仕事ができるフリーアドレス型レイアウトは、プロジェクトや仕事の状況に合わせてチームを組むときなどに適しています。
向かい合わせでのデスク配置を取り入れればコミュニケーションが取りやすく、業務もよりスピーディーに行えるでしょう。オフィスの省スペース化にもつながります。
⑤ブース型スタイル
1人で業務にあたるスタッフや、より専門的な作業、職種に適したスタイル。
■心理的メリット
・スタッフそれぞれが仕事に集中できる。他スタッフが視界に入らないため、集中力を高く保つことが可能。
・アイデアを考えるほか、業務の生産性を向上させる効果があります。
■心理的デメリット
・コミュニケーションや連携が難しくなることがデメリットですが、クリエイティブ職が多いオフィスであれば導入するメリットのほうが大きいかもしれません。
上司の机の場所って、実は重要なんです
※一例です。
上司の机の位置が重要なのはなぜ?
仕事をスムーズに進めるうえで、上司と部下との距離感は重要なポイントです。
距離感が近すぎても部下は威圧感を覚えやすく、遠すぎればコミュニケーションが取りにくくなるからです。
近すぎると監視されていると感じる
上司の机が部下の目の前という配置。部下は常に上司から仕事の様子を監視されているように思うことも。
部下からすれば、上司からプレッシャーを受け続けているように感じてしまう可能性も。
上司と部下の距離感が近すぎる配置には気をつけることがおススメです。
コミュニケーションを取りやすい距離感が重要
かといって、距離感が離れすぎてしまっても、コミュニケーションを取りにくくなってしまいます。
上司と部下の机の配置には、適度な距離感を保つことがおススメです。
遠すぎると、物理的な距離はもちろん、心理的にも部下が上司への相談をしにくくなるため、心地よい距離感を意識して配置するのが、コミュニケーションをスムーズにするうえでも大切。
上司から部下の顔が見える
上司の視点から考えると、部下の顔が見えることは大変重要です。
上司の机から部下の顔色がうかがえるようになると、仕事の進捗の滞りや悩みを抱えていないかなど、部下の状況を把握できる場合もあります。
上司にとっては、部下の顔が見える配置は大きなメリットがあります。
上司の席はどこが良い?上司の机の配置場所おススメポイント
適度な距離を設ける
上司と部下のデスクの距離が近すぎると、部下はプレッシャーを感じやすくなります。逆に遠すぎればコミュニケーションを取りづらく、円滑な業務の妨げになってしまいます。
デスクの距離は近すぎず遠すぎず、丁度良い距離感でレイアウトしましょう。適度に緊張感を持ってもらうためには、少し顔を向ければお互いが見える距離感がベストです。
上司の机はオフィスの中央。さらに上司を中心に部下が周囲に座るのが理想
オフィスの動線を考慮するなら、上司の机は部屋の奥よりも中央に近い方が効率的だと考えます。部屋の奥や窓際にデスクがあると、部下が相談するときに部屋の端まで移動することになり非効率。
一方、オフィスの中心に上司の机の配置は、部屋のどこからでも簡単にコンタクトが取れます。
相談しにくい部下が出にくくなり、コミュニケーションが取りやすくなるのがメリット。
上司の机をオフィス空間の中心にして周囲に部下のデスクを配置するとよいでしょう。席の配置は周囲を囲むような円陣型や、上座と下座に分かれて中央に上司の席を置く形でも構いません。
大事なのは上司がオフィスの中心にいて、部下が周囲にいること。
業務効率とコミュニケーションを優先するなら、管理職を中心にするのが最適な配置なんです。
窓側から出入口近くに配置する
コミュニケーションで考えるとこんなパターンもあります。上司の机は、窓側から出入り口近辺に移動するのも。
オフィスの出入口は、社員が頻繁に通るため、部下とのコミュニケーションが取りやすくなります。
オフィス空間での心理、いかがでしたでしょうか?
「空間は人の脳と心に影響する」ということがイメージできたんじゃないでしょうか?
逆に、空間を上手く使えば、社員のモチベーションや生産性もあげることもできます。
空間を味方にして、社員みんなが働きやすいオフィス環境をつくっていきましょう!
オフィスの空間が、
企業の未来を表します。
この記事を提供していただいた、まえうみさきこさんの「ielie」のページもぜひご覧ください。
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