たくさんの「自分」に出会う豊かさ

筆者プロフィール

歩歩塾
新垣きょうこ

たくさんの自分を知る。

それが豊かな生活とこれからの教育の根っこになります。

私が自宅の一室で塾を始めたのは３年前。

近所の子どもたちの力になれないかなぁ・・・

そんな風が吹いたら飛んでいきそうな軽い気持ちでした。

仲良しのお母さんに話してみると、お子さんを預けてくれて、

そこから一人二人と子どもたちが集まってきました。

子どもたちの会話は、生の声です。
ここが教育の問題だな、というさしかかりを察知できます。

共通して必ず耳に入ってくるのが、「宿題嫌だー」。これは学年問わずです。

でも、宿題が嫌な理由は一人一人違います。そこを掬い取ることが私の役割だと思っています。

ただ単にわからないから嫌の子

友人関係がうまくいかず宿題どころではない子

担任の先生に対する反発、反抗心などなど

たかが宿題されど宿題。

宿題との向き合い方には、その子の個性が散りばめられています。そこにアプローチしながら、まずは本人の気持ちを整えることが優先です。

一律に授業は行われ、点数で評価され、納得がいかないことも。

表現できないまま感情を埋めていく日常で、得意なことを聞かれても、わからない子がいっぱいです。

もしかしたら、大人もそうかもしれません。

大人も子どもも好きなこと、得意なことが楽しめる雰囲気の場が広がるといいですよね。

そんなコミュニティーを目指して、今は、「嫌だけど勉強する」という子どもたちの力になれるよう日々精進しています。

宿題くらいは一律じゃなくても、、、と思っているのですがね。

現場で働いていた時のことを思い出すと、集団と一律はセットで安定の風潮があります。

効率的な時代もあったから、出来上がったシステムだとは思いますが。

これからは、「オーダーメイド」がより豊かな生き方になりそう、、、というイメージを持って、子どもたちには一人一人異なる課題を渡しています。

こどもの歩幅に合わせて一歩一歩。それが私の歩歩塾です。

自分との新しい出会い

ここ数年、「こんな自分があったのか」という、自分との新しい出会いを楽しんでいます。

「こんなタイプなんだよね〜」っていうときのタイプとはなんだろう？

頭の中で対話を繰り広げると、

「あれ？いつもはガンガン自分の話ができるのに。この人の前では話せない。」
と別の顔を覗かせたり、

「この人のこともっと知りたいなぁ」と思ったら、相手にどんどん質問をしたくなったり。

正面から見ていた自分のタイプは、横から見ると別人になることだってあるのです。

ということは、下からみたり後ろからみると、また違う自分が出てきそうです。

年齢や時間帯や場所によっても違うタイプの自分が出てくるかもしれません。

そして、そんな自分に会えるのは、アイダに何かを置いたとき。一番は「人」じゃないでしょうか。

人も年輪のように歳を重ねる

私事ですが、夫とは大恋愛の末に一緒になりました。

温和でユーモアたっぷりの人柄に安心感を覚え惹かれたのです。

ところが！子どもが生まれ家族が増えていくと、温和な面影が消えていきました。

私たちの間に「こども」というかけがえのない存在を預かったことで、親として、大人として、男として、女として、人として、、、

これまでの「タイプ」や「顔」に新たな自分が出てきたのです。もちろんお互いにです。

こうして、アイダをいろいろ置き換えながら、自分を知り、ミルフィーユのような、年輪のような層になっていく感覚を近頃は味わっています。

層を重ねながらも「こどもとのコミュニケーション」「オーダーメイドの教育」というイメージを常に抱えて歳を重ねてきました。

育児を通して、たくさんの気づきを与えられ、「こども」の察知を肌で感じることができるようになってきました。

そのことを生活の根っこにして、自宅塾で子どもたちと日々を楽しんでいます。

相手との違いを楽しむ

たくさんの「自分」に出会っていくことは、たくさんの人に出会うことです。

そこで、自分と相手の差異に気づき、おもしろがり、受容していくと、

やわらかな秋の日差しのような世界になるんじゃないかな〜と想像して、わくわくしています

「キョウイク」って先人、偉人から与えられた情報を教えていくことではなくて、一緒に育んでいくことだと受け止めています。

コミュニケーション、対話の重ね合いを大切にしています。

そこで拾う「その子らしさ」が私の母性をくすぐるのです！

せわしくなる時期に入っていきますが、目の前で起こる問題に振り回されず、その周辺に解決の糸口があります。

心地よいコミュニケーションで今年をおさめましょう！ありがとうございました。